医薬品系れとろ看板(全国編)


つかれ・神経痛「アリナミン」(赤) 撮影地:広島県
「アリナミン」(白) 提供:木村義治さん 撮影地:大阪府 アリナミン製薬さんのページへ
武田薬品工業さんは天明元(1781)年、大阪で創業。アリナミンの発売は昭和27(1952)年でした。平成28(2016)年、一般用医薬品事業を武田コンシューマーヘルスケアに分社化。令和3(2021)年、同社の株式が投資ファンドに売却され、アリナミン製薬と改称しました。
(別バージョン)赤 撮影地:青森県
(別バージョン)白 撮影地:山形県(展示品)
(長方形バージョン) 撮影地:島根県
疲労に・強力「メタボリン」 撮影地:山形県(展示品)
現在「メタボリン」の商標はタケダの医療用医薬品(ビタミンB1)に使われていますが、かつては同分野の市販薬でした。
感冒・頭痛に「ソボリン」 撮影地:岩手県(展示品)
タケダの風邪・頭痛薬だった「ソボリン」の看板です。上の「メタボリン」と表裏セットの吊り下げ看板になっています。
疲れに・強力「パンビタン」 撮影地:秋田県(展示品)
「パンビタン」はタケダの総合ビタミン剤です。現在も市販薬、医療用ともに使われています。

胸やけ・胃痛に「ノルモザン錠」 撮影地:京都府
武田長兵衞商店(現在の武田薬品工業)さんが発売していた胃腸薬です。
武田薬品工業さんのページへ

神経痛・リウマチに「イルガピリン」 撮影地:奈良県 旧・藤沢薬品工業さんの製品。
肝臓に活力!細胞に若さ!強力「チオクタンW」 撮影地:大阪府
藤沢薬品工業さんのビタミン剤です。左側の文字は別パターンのものもあります。宣伝活動は活発で、犬のマスコットもありました。藤沢薬品工業さんは明治27(1894)年、大阪で創業。
疲労・肩こり・神経痛に「ノイビタ」 撮影地:三重県 第一三共ヘルスケアさんのページへ
平成16(2004)年、藤沢薬品工業と山之内製薬の市販薬部門が分割統合されゼファーマとなりました。その後同社は第一三共グループに売却され、平成19(2007)年に第一三共ヘルスケアと統合されました。藤沢薬品工業自体は医療用医薬品に特化し山之内製薬と合併。現在はアステラス製薬となっています。
精がつく「パント錠」第一製薬 撮影地:広島県 第一三共ヘルスケアさんのページへ
(別バージョン) 撮影地:北海道(展示品) 「強力パント」 撮影地:群馬県
第一製薬は大正4(1915)年、アーセミン商会として創業。平成17(2005)年に三共とともに共同持株会社を設立し第一三共となりました。平成18(2006)年、第一製薬と三共の市販薬部門が統合し第一三共ヘルスケアとなっています。
「メンフラ」 撮影地:東京都(展示品) 大正製薬さんのページへ
リポビタンDなどでよく知られる大正製薬さんの看板です。「メンフラ」は肩こり・腰などの痛みを抑える貼り薬で現行の商品です。同社は大正元(1912)年創業。昭和2(1927)年には咳止め薬「パブロン」を発売しています。鷲のマークが採用されたのは昭和30(1955)年でした。
「オゾ」 撮影地:北海道 明治薬品さんのページへ
戦前からの著名な皮膚薬で、かつては「都南荘」という会社の製品だったようです。
ぢに「カビドール」 撮影地:北海道函館市(非現存)
ぢに「カビドール」最寄の薬局へ 撮影地:東京都 持田製薬さんのページへ
長年メーカーがわからなかった痔の薬「カビドール」ですが、この看板を見て一目瞭然。私(さとう)が愛用しているシャンプーの製造元でもある持田製薬さんでした。同社は大正2(1913)年、東京の本郷で創業。上の写真はとても面白い形の組看板で印象的ですが、10年以上前に函館市のJR函館本線沿いで撮影したものです。撮影後ほどなく建物ごと無くなりました。その後も近年まで新潟市や兵庫県西宮市で看板の残存情報がありましたが、それらも今は消失したものとみられます。
かぜ.づつうに「キクニホン」 撮影地:佐賀県
山口県下関市の深井薬品工業さんの製品です。
神経痛・歯痛「後藤散」 撮影地:大分県 うすき製薬さんのページへ
づつう・はいた・神経痛 ウスキネ「後藤散」早くよくきく 撮影地:大分県
早くよくきく「かぜゴトーサン」 撮影地:大分県(展示品)
大分県臼杵市のうすき製薬さんは大正9(1920)年に後藤薬院として創業。鎮痛剤の「後藤散」が主力商品です。昭和23(1948)年、臼杵製薬として会社設立。平成7(1995)年、うすき製薬に社名変更。「かぜゴトーサン」は昭和48(1973)〜55(1980)年の間発売。
「仁丹」 撮影地:兵庫県
旅行に「仁丹」 撮影地:滋賀県 森下仁丹さんのページへ
昔の「仁丹」は広く万病薬的に使われ、新聞雑誌などにも活発な広告活動をしていました。仁丹将軍のマークは日露戦争が終わった明治38(1905)年の仁丹発売時にデザインされたものです。発売元は大阪市の森下博薬房さん(現在は森下仁丹さん)でした。
綜合かぜ薬「スパーク」滋賀縣製薬(大型バージョン) 撮影地:滋賀県
かぜ薬「スパーク」滋賀県製薬株式会社(小型バージョン) 撮影地:山形県(展示品) 滋賀県製薬さんのページへ
甘くてよく効くかぜぐすり「日本一」滋賀縣製薬 撮影地:愛知県(展示品)
あなたのヒフを守る「ダイアフラジン軟膏」滋賀縣製薬 提供:水谷覚さん
滋賀県製薬さんは昭和18(1943)年創立。滋賀県甲賀市の会社です。同社とグループ会社を通じて、全国に配置薬を販売しています。風邪薬「スパーク」は現在もそのままの銘柄で発売されているようです。
「大学目薬」 撮影地:高知県 明治23(1890)年創業、参天製薬さんの伝統の目薬です。 参天製薬さんのページへ
「たこの吸出し」 撮影地:東京都 大正2(1913)年、東京で創業。腫れ物につける伝統の家庭薬です。 町田製薬さんのページへ
のりもの酔いに・・・水なしでのめる「ドラマミンソフト」大日本製薬 撮影地:北海道 大日本住友製薬さんのページへ
「ハート十字浣腸」 撮影地:徳島県
非常に印象的な姿看板です。大阪府豊中市のハート十字製薬さんの製品で、現在も発売されています。多くの浣腸はグリセリンが主成分のようですが、この「ハート十字浣腸」は塩化ナトリウム(食塩水)が主成分という特徴があるようです。
きり傷・おできに「ビージ」 撮影地:富山県
かぜ・せき・いたみ「新レスピン」大阪・同仁 撮影地:静岡県
「レスピン」の商標を持っているのは奈良県橿原市の佐藤薬品工業さんです。
あせも・肌荒れ・すり傷に「クミアイヘキサクロン軟膏」 ずつう・歯いたに「クミアイ頭痛錠」
かぜ!風邪に!「クミアイ総合感冒錠」 やけど・虫さゝれ・神経痛に「クミアイオーカン」
はらいた・くだりどめ「クミアイエキス錠」 肩こり・うちみに「クミアイコリトン」
一日一錠あなたの健康「クミアイ総合ビタミン錠」 撮影地:島根県(7枚とも)
胃・はらのいたみどめ「クミアイ腹痛錠」
くだりどめ・食あたり「クミアイエキス錠」
かぜねつさまし「クミアイ解熱錠」 撮影地:長野県(展示品)(3枚とも)
農協の配置薬の看板です。農協の家庭薬取扱は大正8(1919)年、島根県で始まりました。製造は山形県の協同薬品工業さんが担当しており、現在も農家を中心に全国約160万戸に配置されています。「クミアイオーカン」はそのままの名前で現行商品。「エキス錠」「コリトン」も後継商品が発売されています。「ヘキサクロン軟膏」という名前はもう無いようです。
JA全農(クミアイ家庭薬)さんのページへ 協同薬品工業さんのページへ
胃腸良薬「青ぐすり」奈良縣・太陽堂製薬KK 撮影地:兵庫県(展示品) 太陽堂製薬さんのページへ
明治8(1875)年創業、奈良県高市郡高取町の太陽堂製薬さんが作っている胃腸薬です。この看板は熱冷ましの「赤ぐすり」と対で貼られることが多いのですが、片方しか撮影できず残念です。どちらも現行商品です。
かぜに「アミリン」Aワン本舗 撮影地:群馬県
スポーツ・虫さゝれ・かゆみ止に「Aワン」Aワン本舗 撮影地:群馬県
同一メーカーの風邪薬と皮膚薬のようですがメーカー不詳。おそらくは配置薬だと思うのですが・・・。
胃腸・榮養「わかもと」 撮影地:兵庫県 わかもと製薬さんのページへ
昭和4(1929)年、長尾欽彌氏が設立した「栄養と育児の会」から「若素」として発売。昭和6(1931)年に「わかもと」と改称。会社は昭和18(1943)年に現社名になりました。
虫くだし「アスキス」十二指腸虫・ぎよう虫・回虫に 血液の栄養剤「ナガ」 撮影地:静岡県
アスキス・ナガの発売元「ナガ製薬」は、長尾氏が昭和26(1951)年に設立した会社です。戦後の衛生状態の回復により薬が売れず、昭和28(1953)年に倒産しました。

胃病に「胃活」 撮影地:静岡県 ロート製薬さんの前身、大阪の信天堂山田安民薬房さんが明治32(1899)年の創業とともに発売した胃腸薬です。
シマズ・イタマズ「ロート目薬」あり 撮影地:広島県 ロート製薬さんのページへ
明治42(1909)年、信天堂山田安民薬房さんが発売した目薬です。同社は昭和24(1949)年、ロート製薬となっています。

「メンソレータム」 撮影地:広島県
メンソレータムは米国生まれの皮膚薬です。日本では大正9(1920)年から近江兄弟社さんが販売していましたが、同社の経営危機のため、昭和50(1975)年にロート製薬さんが権利を取得しました。ロート製薬さんは昭和63(1988)年に米国メンソレータム社を買収しています。

胃病薬「太田胃散」 撮影地:静岡県 明治12(1879)年発売。伝統の胃薬です。
胃病薬「太田胃散」 撮影地:長崎県 太田胃散さんのページへ

十二指腸虫取薬「黄胖丸」 撮影地:大分県(展示品) 占部大観堂製薬さんのページへ
寛政2(1790)年創業、福岡県直方市の漢方薬店です。この「黄胖丸」はかつて『九州の五大名薬』にも数えられた薬でした。

くすりはマルキン印 かぜ・ねつ・せき・づつうに「カゼワン」 こりと痛みに「スターパス」はつてよくきく 撮影地:岐阜県
周囲の波板鉄板が白くスプレー塗装された影響で、全体に白っぽくなってしまっているかわいそうな看板です。奈良県御所市にある至誠堂製薬さんの製品。「カゼワン」は今も変わらず販売されています。 至誠堂製薬さんのページへ

づつう・はいたネオ「ケローン」くすりクロバー 撮影地:岩手県

綜合新感冒錠「コーピタン」 撮影地:兵庫県 大峰堂薬品工業さんのページへ

こりといたみに「コリパス」 撮影地:秋田県(展示品)
奈良県橿原市の吉田養真堂さんの製品で、現在も発売されている貼り薬です。

家傳 血の道妙薬・婦人病一切「神農湯」販売店 撮影地:広島県

胃と腸に「三光丸」奈良縣御所市今住 撮影地:島根県 (株)三光丸さんのページへ
奈良県御所市で鎌倉時代後期から作られている胃腸薬です。その後、後醍醐天皇により「三光丸」と名付けられたそうです。江戸時代には三光丸の当主・米田家が大和の置き薬業者を束ね、競合関係にあった富山の業者と協定を結ぶなど配置薬業界の発展に一翼を担いました。

かぜトンプク「三十分」仁愛アース本舗クボ 撮影地:東京都(展示品)
出る時・ねる時・火の用心 づつう・はいた「ヅーシ」仁愛アース本舗クボ 撮影地:福島県
「仁愛アース」という塗り薬を発売していた「久保医薬品」さんの製品と考えられます。経緯はわかりませんが、現在「ヅーシ」は富山のテイカ製薬さんから発売されています。ちなみに「トンプク(頓服)」とは、食前や食後ではなく症状が出たときに服用することを示しています。

はいた・づつうに「スッキリ」 撮影地:大阪府

血圧「ぜか」是可 撮影地:東京都(展示品)

子宮病・血の道薬「中将湯」 撮影地:静岡県 ツムラさんのページへ

胃腸に「トモサン」 撮影地:東京都 共創未来ファーマさんのページへ
明治4(1871)年創業、友田製薬さんの胃腸薬です。同社は三共さんとの提携・解消にともなう何度かの改称を経て、現在は共創未来ファーマさんとなっています。

せき・のどの痛み・声かすれ・・・・・に 純漢方薬「南天舎利別」 甘くてのみよい「シロップ剤」 撮影地:滋賀県 常盤薬品工業さんのページへ
「シロップ」だから「舎利別」なんですね。常盤薬品工業さんは昭和24(1949)年創業。現在はノエビアグループの一員です。

づつう腦神經鎮静剤「ノーコー散」 撮影地:奈良県 吉田製薬(奈良県製薬協同組合)さんのページへ

感冒・肺炎・チブス・心臓・胃腸奇薬「日本丸」
火の用心・病の用心に「日本丸」 撮影地:大分県(2枚とも) 岩尾薬舗(日本丸館)さんのページへ
「日本丸(にほんがん・にっぽんがん)」は大分県日田市の岩尾薬舗さんがかつて製造販売していた薬です。同店は安政2(1855)年創業。日本丸の発売は明治20(1887)年でした。一時は全国に販路を持ち著名な市販薬となりましたが、昭和40年代に入ると原材料の生薬調達が困難となり製造を中止しました。平成5(1993)年、店舗を修復し資料館「日本丸館」をオープンしました。

づつうに「ノーシン」 撮影地:山梨県 アラクスさんは平成2(1990)年設立で、荒川長太郎(名)さんの事業を継承。 アラクスさんのページへ

づつうに「ハッキリ」 撮影地:徳島県 (赤地バージョン) 撮影地:広島県 小林製薬さんのページへ
「ハッキリ目薬」の会社を小林製薬さんが買収し、昭和14(1939)年発売の頭痛薬の名前になりました。

やせ薬「バゼット」 撮影地:愛知県
米国アーマー会社・バイロン会社製品 甲状腺・女性ホルモン ビタミンB・C・メチオニン配合

風邪に「バルン」 撮影地:奈良県 奈良県高取町の豊島製薬さんの製品

かぜに「パスミン」 撮影地:秋田県(展示品) 日新薬品工業さんのページへ

良く効く・かぜぐすり「ヒスキニンA」 撮影地:長野県(展示品) かつて盛んだった備中売薬の業者が、戦時中に統合された「岡山県製薬」さんの製品

こしけ婦人病「美神丸」 撮影地:徳島県

きず薬・くさ・かゆみ止「ビンA」 提供:木村義治さん 撮影地:大阪府

無効返金「別府淋藥」責任專賣所 撮影地:奈良県 別府市の岩里天然堂さんが販売していた淋病の薬です。全国に代理店があった模様。

下痢・腹痛「ヘルプ」 撮影地:山梨県

心臓に「ホシン」 撮影地:山梨県

強力虫下し「ムシオニン」 撮影地:愛知県 常盤薬品工業さんのページへ

たい印「増田胃腸丸」 撮影地:東京都(展示品)
(別バージョン) 撮影地:北海道 増田製薬さんのページへ
明治25(1892)年創業、奈良県橿原市の増田製薬さんの製品です。私(さとう)は、ここの置き薬を愛用しています。年に2回、配置員さんが私の街にしばらく滞在して、近隣の顧客を回っているそうです。一度奈良の会社を見に行ったのですが、小型車でも通るのが難しいような細い道が入り組んだ地域にあり、会社というよりは大きな旧家という感じでした。

一歩進んだ婦人薬 コシケ子宮病「恵乃玉」 撮影地:徳島県

火の用心 こりと痛みに「モダンパス」 撮影地:兵庫県 池尻製薬さんのページへ

がつちやき(ぢの薬)「雪の元」くさ・かさ・きりきず一切・しもやけ・うるしまけに良し(赤バージョン) 撮影地:北海道 雪の元本店さんのページへ
がつちやき(ぢ)に一番「雪の元」ひふ病外傷一切によし くさ・かさ・きりきず一切・しもやけ・うるしまけに良し(黄色バージョン) 撮影地:埼玉県
奈良県橿原市の雪の元本店さんの製品。良く似た2枚の看板ですが、赤いほうは「錨と横綱」、黄色のほうは「一富士二鷹三茄子」と違った商標が描かれています。

「医薬品系れとろ看板(富山編)」もご覧ください。


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